連休のショールーム受付
ゴールデンウィークの真っ只中の午後3時過ぎ、私は都心にある高級輸入車のショールームにいた。連休を利用した多くの家族連れやカップルで広いフロアはごった返しており、華やかな商談の笑い声とジャズのBGMが響き渡っていた。受付カウンターでチーフを務める私にとって、今日の来客数はこれまでにない規模だった。最初の異変は、午後になって冷房の効きすぎた大理石の床から這い上がってきた、下腹部を締め付けるような鋭い尿意だった。
「あと1時間はシフトの交代が来ない……絶対にここを離れるわけにはいかない」と自分に言い聞かせたが、それが凄惨な戦いの幕開けだった。おもてなしとしてお客様に提供する高級ハーブティーを、休憩中に自分も一杯飲み干してしまっていたことが悔やまれてならなかった。
私はその日、ショールームの制服であるタイトなグレーのウールスーツに、黒のストッキング、そして7センチヒールの黒いパンプスを着用していた。髪は夜会巻きのようにきっちりとまとめ、胸元にはゴールドのスカーフをあしらっていた。しかし、尿意が急速に高まるにつれ、背中や脇の下から冷や汗が吹き出し、制服のブラウスがじっとりと貼り付くのを感じた。きれいに施されたメイクも、脂汗のせいで鼻の頭や額がテカりはじめ、ファンデーションが崩れかかっている。受付カウンターの後ろで、私は両脚をこれ以上ないほどきつくクロスさせ、内もも同士を強く押し当てた。両手はカウンターの下で握り拳を作り、指先が白くなるほど力を込めていた。
ショールームの顔として常に笑顔でお客様に応対しなければならないという社会的責任が、私をその場に縛り付けていた。商談中のお客様から声をかけられるたび、「はい、かしこまりました」と微笑みを作るが、その裏では括約筋と膀胱の肉体的な限界との壮絶な交渉が繰り広げられていた。「お願い、あと30分だけもって。今ここで動いたら、すべてが台無しになる」。尿意の波はもはや限界を超えた第三波に達しており、下腹部をギシギシと鋭い痛みが襲うたび、私の息は絶え絶えになり、膝が小刻みに笑い始めた。
完璧な笑顔の裏で、いつ決壊してもおかしくない極限のスリルと羞恥心に、頭の芯がジーンと痺れるような熱さを感じていた。
ようやく交代のスタッフがフロアに現れた瞬間、私は引き継ぎを極めて簡潔に済ませた。しかし、カウンターを出て歩き出そうとした瞬間、膀胱に急激な重力がかかり、足がすくんで立ち止まってしまった。両手でクリアファイルをお腹の前に抱え込み、必死で内股を固めてすり足のまま、バックヤードの専用化粧室へとなだれ込んだ。便座に座り、温かいものが一気に解放された瞬間の、全身の力が抜けていくような圧倒的な快感。今でもショールームのジャズのメロディを聴くたび、あの時の冷や汗の冷たさと、限界の尿意を思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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