静まり返った模試会場
凍てつくような1月の朝10時過ぎ、大学入試の模擬試検が行われている高校の教室でのことだ。教室内は換気のために窓が少し開けられており、冷たい冬の風が吹き込んで足元を芯から冷やしていた。試験中の静寂の中、全員が必死に問答用紙に向き合っていた。私は試験監督の助手として、教壇の端から教室全体を見渡していた。……その時、廊下側の席に座っていた女子生徒の異変が目に留まった。
年齢は18歳の高校3年生。黒のセーラー服に紺のチェックスカート、黒い厚手のタイツを穿いていた。髪はすっきりと一本の三つ編みに結ばれ、大人しそうな印象の生徒だった。しかし、試験開始から40分が経過した頃、彼女の動きが完全に止まった。
ペンを持ったまま、彼女は両肩を小刻みに震わせ、回答用紙ではなく自分の下腹部を凝視していた。両膝を限界まで擦り合わせ、タイツが擦れるカサカサという音を立てながら、椅子の上でもじもじと身を捩っている。試験のプレッシャーと寒さで、彼女の胃腸が過敏に反応したのだろう。額にはじわりと冷や汗がにじみ、真っ白に血の気が引いた顔で、薄い唇を強く噛み締めていた。メイクをしていない素の肌には鳥肌が立ち、時折「うぅ……」と喉の奥で息を殺した呻き声を漏らし、お腹を抱えるように前かがみになっていた。
彼女は、急激な腹痛と猛烈な便意に襲われていた。ここで立ち上がってトイレに向かえば、試験の点数が無効になるだけでなく、静かな教室で全生徒の注目を浴びることになる。その社会的なプレッシャーが彼女を縛り付け、極限の葛藤を生み出していた。腸内でガスがゴロゴロと鳴るたび、彼女はタイツの上からお尻を強く座面に押し当て、括約筋を決壊寸前の水門のように締め付けていた。足元はローファーの踵をガタガタと震わせ、必死に耐えている様子が克明に伝わってきた。
私はその姿に目を奪われ、心臓の鼓動がドクンと激しく高鳴るのを感じた。彼女が極限の便意と恥ずかしさの中で、必死に太ももをきつく合わせて震える様子。見てはいけないものを見ているという罪悪感と興奮で、手のひらに冷や汗がにじんだ。
チャイムが鳴り、試験終了が告げられた瞬間、彼女は立ち上がることができず、そのまま机の上で丸くなって泣いていた。回収が終わるやいなや、彼女はカバンでお腹を押さえ、極端な内股のすり足のまま、よろめくように教室を出てトイレへと急いでいった。今でも静かな試験会場の張り詰めた空気を感じるたび、あの時の彼女の限界の表情と、忘れられない極限の我慢の姿を思い出す。
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※ 掲載されている話は、読者投稿・創作をもとにした読み物(フィクション)です。実在の人物・団体・場所とは一切関係ありません。
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